2018年3月16日金曜日

2018年3月12日発売の週刊プレイボーイ記事


2018年3月12日発売の週刊プレイボーイに、私の発言が掲載されているのですが、思わぬ文脈で使われていたので、ここで説明いたします。
同誌の記事のタイトルは「4・1種子法廃止で日本のお米が食えなくなる!!多国籍バイオ企業による種子ビジネスの実態」という特集記事の後編です。

その中で、サブタイトル「日本市場でのビジネスは難しい?」のところで、このように掲載されたのですが、遺伝子組み換え作物に反対している立場の文脈で紹介されているので困惑しているわけです。私は、世間によくある遺伝組み換え作物の危険性を訴える報道には違和感がありまくりです。この記事の私の発言以外のところでもそうですけど、明らかに事実誤認している記事が圧倒的多数です。たとえばモンサントが種子の自家採種を禁止しているという記事を挙げましょう。

日本の農家は、種子を生産していたり地域固有の品種以外、基本的に自家採種はしません。野菜は種苗会社の販売するF1を自家採種したところで収量や品質が劣るものになるからです。コメに関しては日本で作られているコメは基本F1ではないけども、品質管理として毎年タネを買っているのです。というのは、自家採種を続けていると同じコシヒカリでも地域の環境に応じて変化していくからです。それが食味に影響するなら商売上よくありません。

コシヒカリを何年も自家採取して作っているうちに、味が変化してしまったばかりに、消費者から「コシヒカリを買ったのに、これは味が違う。コシヒカリと言って別のコメを売っているのではないか?」などと言われることもあり得ないことではないのです。だから、コシヒカリのようなメジャーな品種では普通は自家採種をしないのです。もっとも、こっそり自家採種している農家はあるかも知れませんが、あってもごく少数です。

モンサントが自家採種をして欲しくないのは、自家採種されたら、会社の儲けが減るからイヤだと思ってるのは間違いないでしょうけども、自家採種されると何年も経つうちに特徴である除草剤耐性とか、害虫抵抗性が劣るようになるのも恐れているはずです。たとえば「おたくの種子はラウンドアップをかけても枯れないはずなのに枯れてしまった、どうしてくれる!!」みたいな農家のクレームが出ることを恐れていると私は見ています。そういうことを書いてある記事って、なかなかないと言うか、私は見たことがありません。

取材された時、だいたいこういう質問で、掲載された発言の他に、こんなことを答えました。

Q  モンサントが日本のコメ市場を狙っていますか?市場の独占を狙ってますか?
Aそりゃそうでしょう。ただ、マーケットが小さいから実際やるかどうかは別問題です。遺伝子組み換え作物の開発コストは恐ろしく高いので、事実上世界的規模の大手メーカーしか参入不可能です。そして、そんな大きなメーカーでも、大きな市場向けでないと投資回収ができない。それが現状です。
コシヒカリくらい多く栽培されている品種の対抗品種は作れるかもしれませんが、それでも採算が合うかどうかどうか・・・特定の地方でしか作られていない独自品種の対抗品種となると間違いなく採算が合いません。酒米にいたっては今の日本で400品種くらい作られてます。酒米は市場が小さ過ぎて絶対に参入してこない。だから種子の市場の大きなところを取りたいとは思っているでしょうけど、独占なんてとてもじゃないけど無理です。

Q日本で遺伝子組み換え作物の種が売られないのはなぜでしょう?
A日本での遺伝子組み換え作物の販売認可はモンサントに限らず、主だった化学メーカーは全て取ってます。だから今すぐ販売してもいっこうにかまわないのですが、販売しないのは農家を守りたいからだと思います。


Q  農家を守るとは?
遺伝子組み換え作物を栽培しようとする農家がいるとしますね。そんな農家も遺伝子組み換え反対論者の攻撃の的にされる危険がある。非難されることはもちろん、せっかく作った作物を引き抜かれて収穫ゼロにされるおそれもある。過去にも農水省の研究所で試験的に遺伝子組み換え作物栽培していたら全部引っこ抜かれたなんてことがありました。
モンサントとしては自分たちが非難されるのは、これまでもさんざんされてるわけでそれほど衝撃はないかもしれない。しかし自分たちのお客さんである農家にまで攻撃が及んだら、いくら何でも我慢の限度を超えるでしょう。他のメーカーも同じように思っているんじゃないですかね?むしろ日本市場で勝負するなら、ゲノム編集で開発されたの種になると思います。

Qなぜですか?
Aゲノム編集は、遺伝子組み換えよりもはるかに開発コストが安くつきます。簡単に言うと参入障壁が低い。だから遺伝子組み換えが使えない、小さな市場の種でも採算を合わせられる。と同時に、遺伝子組み換え作物だと参入のハードルが高くて出来なかった中小のメーカーやベンチャー企業でも大手化学メーカーと対等の勝負ができるようになるでしょう。日本だと、サカタのタネ、タキイ種苗、雪印種苗あたりは、たぶんモンサントにとって手ごわいライバルになるんじゃないですかね?外資であるモンサントよりも日本市場を熟知しているでしょうから。


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