2012年5月9日水曜日

軽トラックと静粛性

軽トラックは、どのメーカーのものでも似た形をしています。しかし、よく見るとメーカーによってかなりの違いがあります。

 そのあたりの詳しいところは、軽トラック研究会のサイトをご覧になっていただくとして、誰が乗っても明らかにわかるメリットがホンダ・アクティとスバル・サンバー(〜2012/2までのモデル)にはあります。

それは、 後ろにエンジンがあるため、運転席(キャビン)が静かである。 

ということ。アクティは後輪の前にエンジンがあるMR(ミッドシップ)、サンバーは後輪後ろにエンジンがあるRR(リアエンジン・リアドライブ)です。前者は多くのスーパーカー、後者はポルシェ911が伝統的に採用する駆動形式ですね。 

そんなわけで、軽トラックと言えどもこの二つは、車高が高くてパワーがないスポーツカーみたいなところがあって運転が楽しいのですが、何より大きなメリットは、この運転席での静粛性なのです。 

一般的なFR(フロントエンジン・リアドライブ)の軽トラックは、座席の下にエンジンがあります。シートを上げるとエンジンが出てくるくらいですから防音なんかあってなきがごとし。だから時速80キロも出すとエンジンがうるさくてラジオが聞こえない。ラジオを聴くには相当ボリュームを上げなきゃならないとなります。

 しかし、アクティやサンバーはエンジンが運転席よりも離れており、キャビンが遮蔽物になるので静かになるのです。下手な乗用車よりも静粛性は上かも知れません。当然100キロ出してもラジオは普通に聴けます。長時間運転するとき、この差は大きいものがあります。疲れ方が違います。 

バンも同様な傾向がありますが、遮蔽物がありませんからその分うるさいです。ついでに言うとFRはエンジンの発熱も運転席に上がってきて熱くなることがあるようですが、MRやRRでは当然そうはなりません。このあたりは、もともと軽トラックはキャビンが狭い分。冷暖房はよく効くのであまり気にしなくてもいいでしょう。私自身FR軽トラックを長年使っていましたが、気になったことはないです。 

同様に、荷台の下にエンジンがある軽トラックは、暖めるとまずいものを積むとき不利になると言われますが、これも実際はほとんど問題にならないでしょう。生鮮作物を積んで走るにしても、普通は短時間ですから、むしろ直射日光の方が作物にダメージを与えるのではないでしょうか?気になるなら、断熱材を荷台に敷けばいいだけです。 

かようなわけで、軽トラックはFRよりもMR、RRの方がよいと思っているのですが、唯一のデメリットは価格が高いこと。グレードにもよりますが、10万円ほど高くなるようです。 日々の快適性のために10万〜15万を出す気になればいいのですが、そういう人は少ないためホンダもスバルも販売は苦戦していました。RRのサンバーがなくなった現在、ホンダのアクティが販売を伸ばすといいんですが・・・。

2012年3月4日日曜日

農業ブームは、新規就農者を増やしたのか?

農林水産省平成22年新規就農者調査

平成21年(2009年)初頭、雑誌「BRUTUS」の農業特集から農業ブームに火がついた。
ブームがいつ下火になったかは定かではないが、2010年前半くらいまでだだったろうと思われる。

平成21年の新規就農者は、前年の一割増の6.6万人。しかし、その多くが農家の跡取りだ。
実家が農業ではない、いわゆる新規参入組は、東北大震災のため一部は推計値になっている。

平成20年 1960人
平成21年 1850人
平成22年 1730人

新規雇用就農者、すなわち農業法人などに雇用された「サラリーマンとしての農家」は


平成20年 8400人
平成21年 7570人
平成22年 8040人


就農を目指したが、まずは勉強のつもりで農業法人に入った人が500人ほど増えたといったところか?

農業ブームは、農家の跡取りが家を継ぐ決心をするのに背中を押した可能性はある。農業法人などに雇用される人も少しは増えた。しかし、実家が農業でないサラリーマンからの新規参入が増えなかった。

もっとも、新規就農を本気で目指していれば、準備に半年や一年は普通にかかる。実際は、三年くらいは統計を見ないと農業ブームの影響は断定できないだろう。



2012年3月2日金曜日

使える新書



いわゆる新書(岩波新書、講談社新書など)のガイドブック。そのせいか、サイズも新書サイズの本。共著者の一人として、一部を担当。

「国家、民族、宗教」「ふんばる生き方」など、ひとつのテーマを作って、テーマを理解するのに適した本を選ぶ。たとえば日本人になじみのうすい宗教紛争や民族紛争を理解するのに、紛争の歴史を念頭に置きつつこの順番で読むと分かりやすいですといった感じ。

最初の「教養インストール編」は、それまで読んでいた良書の中から本を選んでいたので比較的ラクに書けた。そんな本が一ヶ月ほどで2万部も売れたので続編の「21世紀の論点編」も書かせてもらうことになったのだが、過去の読書ストックが不足したので、補充のためアホほど新書を読みまくるはめになった。たぶん10ヶ月で150冊は読んだと思う。でも自信を持ってすすめられる本は、そのうち二割ほどだったか・・・。

しかし、そんなものすごく苦労して書いた続編は、前著の実績もあって相当多く刷られた。しかしそれほど売れなかったようだ。今年になってWAVE出版から電話があり、これは絶版のお知らせかと構えていたら、「21世紀の論点編」増刷の知らせだった。

八年かかって初版を売り切った本を増刷してくれるとは・・・WAVE出版は小さいが、すごい会社と認識を新たにした。


2012年2月9日木曜日

農業で儲けたいならこうしなさい!




2009年の農業ブームの時、週刊ダイヤモンドの農業特集のネタの一つに私が使われました。すると執筆依頼が3日間殺到する状態に……。どちらさまも年末までに出したいという要望でしたが、遅筆な私としましては納期半年では一冊しか書けません。それで一番早く依頼をいただいたソフトバンククリエイティブの仕事のみ受けたわけです。同社が一番早かったのは、前にここから本を出していて、私の連絡先をいち早く知ることができたからです。

同時にメディアの暗部も見えたかな……。ちょっとクセの悪い出版社も複数あって、一社はあやうく私も騙されるところでした。

それはそれとして、内容ははやり農業経営の教科書的な位置づけの本です。大規模経営、農産物直売所に出す多品種少量生産経営、六次産業化(農業を軸に置いた多角化経営)など、現在農業をやっている方、農業をこれから始めようと思う方にとってこれだけは知っておくべきと考えられるノウハウを満載しています。


戦略の名著!最強43冊のエッセンス



経営戦略関係の名著の中から、43冊をよりすぐって紹介した、経営戦略関係の読書ガイド。「最強!戦略書徹底ガイド」ソフトバンククリエイティブで紹介した本の中から、特に実用性の高い本をさらに43冊選び抜いています。

コメのすべて




コメに関する分かりやすい解説書
日本の農業で最も重要な農産物であるコメをありとあらゆる方面から解説した本。「農業のしくみ」同様、コメの個別の分野の本はあっても、全体を分かりやすくまとめた本がないということで、書きました。

出版当初は農家や農水省関係者から絶賛されました。汚染米事件の時にもマスコミ関係者の速習書になったらしく、この本を読んだという記者から多くの取材が来ました。やはりコメのことを知る教科書にされているようです。


農業のしくみ



図版を多用した農業全般の分かりやすい雑学本。もともと日本実業出版社の「入門ヴィジュアルサイエンス」シリーズの一冊として出るはずでした。しかし農政や農業経営などにも触れていて、編集者がサイエンスのシリーズにそぐわないと判断。それで突如「イラスト図解」シリーズが立ち上がって、その第一号となりました。

農業の本と言うと、作物栽培やバイオテクノロジー、経済といった個別の分野の本はあっても、その全てを解説しようとする本は、これまでありませんでした。

発売以来メディアで取り上げられるなど、これまで一度もありません。しかしもともと農業全般を分かりやすく解説する本がなかったためでしょう。公務員試験の農業分野の対策や、大手流通業食品部門の新入社員研修資料など、書いている方が思いもしなかった教科書的な使われ方をされている本です。